蒼穹の幻

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―空は、悲しい程に、暗かった 粛々と、雨の降る。 冷たい雨が、僕の頬を濡らす。 泣きだしそうな僕に、無慈悲に。 『(エトワール)を失った世界で、僕はどうして生きれば良い?』 呟くのは、大切な君の名前。 それすら掻き消す雨音は、やっぱり無慈悲だ。 空は雨雲。 ―(エトワール)は見えない 君を失った、暗い世界。 そんな世界で、僕は酷く美しい光を、見つけた。
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