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先輩観察記録
「おーい!ハッチ~!がんばれ~!!いけいけゴーゴー!!!」
ただいま、体育の授業中。
今日はグラウンドで男子はサッカー、女子は体育館でバレーボールの授業を受けている。
グラウンドと言えば、校舎の窓からも大変よく見える場所にある。とはいえ…
「…なあ茉白。あの人、確実にお前の事応援してるよな?あれって…」
そう、さっきから熱狂的な声援を送ってくれているのは、俺のよく見知った人。
「えっと……うん。部活の、先輩」
友人の言葉に、ぼそりと呟いて答える。
穴があったら入りたい、とはこういう時に使う言葉だろうか。とにかく、恥ずかしくて仕方がない。
「やっぱ?生徒会にも入ってる人だろ?美人だよな!」
「うん、そう…そうだね」
確かに、先輩は美人さんだ。
色素の薄い栗色の長い髪を靡かせて、とても元気にチアガールのような応援をしてくれている美少女。きっと、男ならもっと喜ぶべきところなんだろうけど……
「ハッチんファイト!はっしれ~!!」
やっぱり、恥ずかしいよ!!
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