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「とりあえず1、2、3、5、7、8が集まったけど、4と6が抜けてるんだよねー!目標は10まで部員を集める事だよ!」
「あはは4が見つかったら、あだ名はヨン様ですね」
「わっすごいハッチ!!何で僕の考えてること解ったのー!?」
「え?いや、何となくですけど…やっぱり考えてたんですね」
ヨン様……それはちょっと…自分で言っておきながらなんだけど、相当な美男じゃないと韓流ファンからの反感を買いそうで本人にはかなりのプレッシャーになりそうだ。
「ハッチすごいね!超シンクロ!!ギンみたい!」
「いやいや…」
ほんの一ヶ月程ではあるけれど、何となく先輩達の考える事や言動が解ってきたような気がする。とにかく皆が皆個性的で、観察していると何だか面白いのだと解った。
でも、解ってきたとは言っても、さすがにまだ一月の事だ。大したものじゃない。
何より、三神先輩には適うわけがない。だって…
「……俺が、なんだ?」
「あ!三神先輩っおかえりなさい!!」
七瀬先輩の言うシンクロというものとは違うかもしれないけど、三神先輩の観察力はすごいんだ。
「ギンおかえりー!」
「ほらアイスティー、買ってきたぞ」
「わーいありがとー!これこれ!」
「シロも」
「え……あ、はい!!!」
買い出しから戻った三神先輩を席に迎えて、七瀬先輩は当然のように"いつもの"アイスティーを受け取るけど…俺は驚きと感動に思わず身を乗り出してしまった。
「あ、ありがとうございます!!どうして解ったんですか!?俺がこのお茶が好きな事!!」
「え、いや…いつもそれだろ?」
「そ、そうなんですけど…っ」
「ハッチって見掛けに寄らず渋いよね~!あははっ」
そう、これだ。
幼馴染みの七瀬先輩の事はともかく、たった一月しか一緒に過ごしていない俺の事まで色々と理解してくれていて、本当に驚かされる。
「あ、家が和菓子屋やってるので、何となく普段から日本茶しか飲まないんですよ」
「知ってる!ハッチのお家ではお茶部でもちょいちょいお茶菓子買わせてもらってるんだよ?」
「え!!知らなかった!!うちみたいな小さい店で…ありがとうございますっ」
「何言ってんの~ハッチのとこは隠れた名店だよ!!」
七瀬先輩の情報収集にも、何かと三神先輩の観察眼が役に立っているとか。
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