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ポツリ、ポツリ。 ただ、変わらずに… 一定の速度で 流れているこの川は 君がいるあの町にも 流れているのだろうか。 太陽の光を浴びて、キラキラと輝き続ける川を見ながら、 自分らしくもない思考に身をゆだねた。 もしも、自分が川になれたのなら、君のもとに、真っ先に流れていくのに。 でも、それだと君と話せない。 ただ水しぶきを上げ続けるだけの存在になってしまう。 なら、いっそ、離れている今、 電話越しの機械的な声に、耳を傾け続ければいいのだろうか? いや、いっそのこと、 今すぐ君に会いに行きたいというのに。 いっそ、すべて水に流せたらいいのに。 そうしたら、 いつか、また、 君のもとに流れ着くだろう。 自分の、 この思いが。 君に。 また、会えるよね? 君に。
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