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「それは生きて帰ってくればの話ではないのか?」
そこに今まで何も話さなかった皇が威嚇するように言った。
それに対してリスカは何も感じないかのように頷いた。
「それに相手は誰で、倒すというのは殺すことなのか?今の説明だけでは殆ど理解できないんだが……」
ていうか皇は何故に神に対して喧嘩腰なんだよ。何かさっきまでの空気が重い空気になってきたし……。
確かにただのゲームではなく聞いた感じだとサバイバル……つまり殺し合い。
リスカは仕方ないという顔で説明を始めた。
「確かに皇君の言う通り、そして戦う相手は基本的には人だ。さて、さっきは説明がややこしいから省かせて貰っていたが、やはり説明した方がいいな?」
それに対して俺を含めた4人は頷く。
「このゲームは神位第1位であるオーディンが主催するものだ。本来の目的は神々が管理する世界がどれほど優れているかを競うために始まったもので参加できるのは人型の生物のみ、これは最低条件だ。
しかし、それでは身体能力等の有利不利が大きく出てしまうため参加者は全員同じ身体能力になる。
勿論、あっちの世界で死んだ場合は察しの通りだ」
予想以上の情報量によるためか、または内容が事実であるということなのか…………全員が静かに考えていた。
そんな時――――
「俺は参加する」
沈黙の空気の中、流は参加を決意した。
「流!!死ぬかもしれないゲームに参加するんだぞ?それを分かっていっているのか!!!」
皇が驚愕と心配の声を荒げる。
確かに皇の言う通りだ、あっちの世界で死ねばそれまで。
しかも人を殺さないと勝てないなんて平和な世界にいる俺達にそんなことは無理だ。
「最近思ったんだけどよ……俺の居場所は4人でいるときだけなんだ。みんなも、そう思ったことがあるだろ?」
俺もそれは思ったことがある。
俺、流、桜、皇の親や兄弟はいないから……………。
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