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キーンコーンカーンコーン
4校時目の授業が終わり、俺は教室を出る。今日は昼飯を持ってきてないため購買に行かなくてはならないからだ。
普段は自分で作って持ってきているが、今日は少し寝坊したため仕方なく買うことにした。
この学校の購買には、奇抜な商品から普通の商品、学校で売るのは不味いだろと思う物まで売っている。
(ハンバーグサンドが売り切れか……。仕方ない、焼そばパンでいいか)
焼そばパンとコーヒー牛乳を買って屋上へ向かう。
因みに龍達は余裕で遅刻をした。
屋上の扉を開き、フェンスの方へ向かおうとした時、不意に声をかけられた。
「君を見るのは久し振りだな、今日は寝坊でもしたのか?」
声がした方向を見ると、とても綺麗な黒髪を肩まで伸ばす女性が座っていた。
彼女の名は春風 桜屋上の主であり、俺の唯一女子にいる親友だ。
彼女は立ち入り禁止である屋上に入学当初から堂々と入り、教師に怒られるかと思いきや教師を説得し屋上を解放した人だ。
しかし、今まで特に使ってなかったため屋上には未だに殆ど人がいない。まぁ、彼女は毎日いるのだが……。
桜の容姿はこの学校の中でもかなりの美人だ。
しかし、彼女は人と群れるのがあまり好きではないらしく基本一人でいたがる。
「ああ、そんなところだ。お前はいつも通りだな」
「当たり前だ、私がここ以外で昼を過ごせないのはお前が一番知っているだろうに……」
「そうだな、さてと久し振りに一緒に飯を食べてくれますかな、お嬢さん?」
少し悩んだふりをした後、よかろうと返事をもらい桜の隣に移動する。
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