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「これより、ゲームを開始する。ルールは先に話した通りだ。
しかし、本開始は次の会議を経てからだ」
そう言い、その場から消えた。
彼は闘争神オーディン、このゲームのマスターである。
「全く、また面倒な事務処理が増えるな……。お前の方は大丈夫なのか?リスカ」
私の隣の座っている、黒髪金眼の男の名前はキリヤ。私と同じ世界を管理する神の一人だ。
「当たり前だろうキリヤ、私は前から話を聞いていたからもう終わらせたよ」
「マジかよ……俺のも手伝ってくれないか?」
無理だなと答えるとがっくりとうなだれるキリヤ。すると何かに気づいたように私にあることを聞いた。
「選択は終わらせたってことか……?」
彼の言う選択とは―――
「キリヤッ!!!仕事がまだ終わってないんだから早く戻ってきなさいって言ったじゃない!!」
彼の質問に対して答えようとした途端、会議室に勢いよく天使が入ってくる。
彼女はキリヤの補助天使だ。
「やべっ!!忘れてた、そんじゃリスカ来週の会議に例の物頼んだぞ」
天使に連れていかれたキリヤに来週生きていることを祈りながら、私は会議室を後にした。
彼の言っていた例の物、それはこのゲームに参加する全ての神の選択を記した物だ。
私の名前はリスカ、神位第三位の女神。
今回のこのゲームの裏にある真実をなんとしても突き止めないと、亡き父のためにも………。
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