1月2日

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すると彼は、嫌そうな顔で言った。 「俺がお前の願いを叶えてやんなきゃいけないからだよ」 「な、なにそれ」 「願いを叶えてやるからには名前ぐらい教えてもらわんと困る」 ちょっと待ってよ。 「そんなこと頼んだ覚えないし、しかも嫌そうな顔で言われる筋合いないし!」 初対面でそんなこと急に言われたって、はいそうですかとは言えない。 それに親切なのかよくわからない。 押し付けがましい。 「どうしてさっきからまともなこと言えないの?怪しいから警察呼ぶよ!」 「はぁー!」 彼は面倒くさそうに、わざとらしく大きくため息を吐いた。 「言っておくけど、お前が悪い。悪いのはお前だからな」 そう前置きして、彼は一から話し始めた。
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