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すると彼は、嫌そうな顔で言った。
「俺がお前の願いを叶えてやんなきゃいけないからだよ」
「な、なにそれ」
「願いを叶えてやるからには名前ぐらい教えてもらわんと困る」
ちょっと待ってよ。
「そんなこと頼んだ覚えないし、しかも嫌そうな顔で言われる筋合いないし!」
初対面でそんなこと急に言われたって、はいそうですかとは言えない。
それに親切なのかよくわからない。
押し付けがましい。
「どうしてさっきからまともなこと言えないの?怪しいから警察呼ぶよ!」
「はぁー!」
彼は面倒くさそうに、わざとらしく大きくため息を吐いた。
「言っておくけど、お前が悪い。悪いのはお前だからな」
そう前置きして、彼は一から話し始めた。
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