1月2日

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「さっきも言ったけど、俺は神様だ」 はいはいそれはわかったから、と心の中でつぶやく。 彼の話は要約すると、こんな話だった。 彼は神様で、この烏出神社に住んでいた。 その場所というのが、彼が落ちてきた場所、つまり社の屋根裏だった。 ほんとにそんな汚そうな所に住んでるのが神様なのか、信じ難いけど。 そんな神様が今日も暇だなあとごろごろみかんを食べていた、らしい。 元旦なのに暇してる神様なんているのかな…。 そうしたらそこに私が来た。 「こんな所に珍しい、初詣かよ。帰れめんどくさいって思ったよ」 あんた神様なんじゃないの!? この人実にめんどくさがりやなようで。 普段から人の願いも叶えず適当に暮らしてたらしい。 サイテーだなこの人は。 そこで私が綱をひいた。 が、どうも激しく揺らしすぎたらしい。 老朽化が進んでいた社は糸も簡単に、壊れてしまった。 それで彼がころんと生まれたように屋根裏から落ちて来た。
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