9人が本棚に入れています
本棚に追加
「そこでだ!お前、神様の掟ってやつを知ってるか」
いや知らないよ!
人間だもの!
ここで彼の顔は一層ゆがみ、恨めしそうに私を睨んできた。
「俺たちは神様だ」
それ何回も聞いた。
「神様っていうのはやっぱ神聖な存在らしいから、人間とは常に違う存在でなきゃいけない」
こんな人間らしいやつの、どこが神聖なんだ。
「だから人間に姿を見られることは厳しく禁じられてるんだよ。厳しくな」
「もし、掟を破るとどうなるの…?」
「掟を破った神様は、その人間の願いを40日経つまでに必ず叶えなきゃいけない」
「じゃあ叶えられないと?」
「叶えられないとなあ、……それは恐くてとても言えない」
その言い方すごく鬱陶しい。
「な、の、に!!」
ビシッと私に突き立てられた人差し指。
「人間に俺は見られたんだ!それがお前だ!!」
へぇ、としか言えなかった。
だって、
「……やっぱ信じらんない!」
「なんでだよ!信じろ!俺を!」
逆に聞きたい。
こんなこと信じられる人が、この世にどのくらいいるのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!