1月2日

6/9
前へ
/92ページ
次へ
「そこでだ!お前、神様の掟ってやつを知ってるか」 いや知らないよ! 人間だもの! ここで彼の顔は一層ゆがみ、恨めしそうに私を睨んできた。 「俺たちは神様だ」 それ何回も聞いた。 「神様っていうのはやっぱ神聖な存在らしいから、人間とは常に違う存在でなきゃいけない」 こんな人間らしいやつの、どこが神聖なんだ。 「だから人間に姿を見られることは厳しく禁じられてるんだよ。厳しくな」 「もし、掟を破るとどうなるの…?」 「掟を破った神様は、その人間の願いを40日経つまでに必ず叶えなきゃいけない」 「じゃあ叶えられないと?」 「叶えられないとなあ、……それは恐くてとても言えない」 その言い方すごく鬱陶しい。 「な、の、に!!」 ビシッと私に突き立てられた人差し指。 「人間に俺は見られたんだ!それがお前だ!!」 へぇ、としか言えなかった。 だって、 「……やっぱ信じらんない!」 「なんでだよ!信じろ!俺を!」 逆に聞きたい。 こんなこと信じられる人が、この世にどのくらいいるのだろうか。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加