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「なんで、あんなところに……怖い。罠みたい」
めぐみが怯えながら呟いた。
はっ……罠…。
めぐみの言葉で、私はある可能性を思い浮かべた。
これってもしかして…あの男がわたしを、おびき寄せようとしてる?
私の願いを叶えさせろと、ここに来い、と。
でも….。
わざわざそこまでするだろうか。
だいたいあの手袋を探しに、私が着いてくるかどうかだって怪しいのだ。
めぐみだけが探しに来てたら、あんなところに手袋を置く意味がない。
「…怖い………」
でも、とりあえず不気味なことには変わりない。
めぐみを見ると、目に恐怖の色を浮かべて手袋を凝視してる。
私は怖いものは苦手じゃないから、特になんともないんだけれど。
それに、誰の仕業かはなんとなくだけど想像できるから…。
…彼がまだここにいるならの話だけど。
「…誰か神主さんいないのかな?説明して取ってもらった方がいいよね?」
めぐみが「すいませーん」と中に向かって呼びかけるけど、返事はなかった。
ここの神社は少し手入れがされてないように見える。
雑草がそこらへんに生えてるし。
だから神主さんは始めからいないのかもしれない…。
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