1月3日

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びくっと身体が固まる。 そして反射的に顔をあげてしまった。 ここで顔をあげずにそのままめぐみの元に戻れば良かったのに。 反射的に、あげてしまったのだ。 「よお、来たね~。い、お、な、ちゃん」 そこには屋根裏の裂けた割れ目から、顔を覗かせる例の男の姿があった。 私は手袋に手を伸ばしたまま、硬直状態。 そして悟る。 やっぱり私をおびきよける罠だったんだ! だけど…… なぜ無視できなかったんだろう! ここに奴がいるのは予想してたはずなのに! まさか上から来ると思わなかったから…。 「…どういうつもり?」 外にいるめぐみには聞こえないように小さく返す。 「さて、問題でーす」 相変わらず前髪をひょこひょこさせながら、彼はふざけた口調で言った。 「なんでいおなは、またここに来てしまったのでしょうか」 「なんでって…めぐみが手袋落としたからだよ!」 そう返すと「だめだなぁ」、と彼はわざとらしく首をふった。 なにがだめなんだ。 私は彼の一挙一動を見守るしかない。 「もし!それが必然だったと言ったら……?」 そしてまたわけのわからないことを言ってきた。 必然? めぐみが手袋を落としたことが、必然だったと言いたいの? 確かにめぐみが手袋を落としてしまった以上、私は頼まれてここに探しに来るしかなかった。 友達が困っているのに放っておけるような人間じゃないし。
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