1月3日

8/10
前へ
/92ページ
次へ
「いおな、もっと頭を使え。俺は神様だぞ」 え、もしかして、まさか。 「めぐみが手袋落とすように、仕向けたの…?」 そんなことを仕向けるなんてあり得ない。 めぐみが落し物をしたのは偶然で、私が烏出神社へ連れて来られたのも、社の中に入ったのが私だったのも偶然だ。 仕向けるなんてできるはずがない。 普通の人なら。 でももしほんとに、この男が神様だと言うなら…。 「正解!」 そんなあ…。 じゃあ、ここにこうやってまた来てしまうことは全部、決まってたことだったの…? この彼がなんらかの力を使って、そうさせたってこと…? 「俺にはできる。お前の未来を変えることも、運命を変えることも」 まっすぐ降り注ぐ眼差しに私は内を見透かされている気がした。 彼は私の運命を変えられる。 いいようにも、悪いようにも。 私には偶然起こったように見える事も、本当は彼に操られて全て必然的に起こっているんだ。 完全に手の平で転がされてるんだ。 少なくとも、彼と出会ってしまってからは。 だって彼は、もはや人間の領域を超えている。 そう、神様なのだから。
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加