1月1日

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朽ち果てて年季の入った賽銭箱を見て、私は思う。 「ここ、ほんとに神様いるかなー」 震える2人をそんな冗談で元気付けてみるはものの。 「知らない!もう早く帰ろうよお…」と返されてしまった。 「大丈夫だってばー。神社だよ?むしろ幽霊退治してくれる場所だし大丈夫だって!」 私は前を向き直り、ぱんぱんっと二度手を叩いた。 その音に反応してか、すぐそこの木からカラスが深夜には似合わず「カー!」と一声鳴いてばさばさと飛んでいった。 「ひっ!」 いきなりのことに驚く2人。 びびりだなぁ、もうー。 構わず私は鈴につながる綱を引いた。 からんからんと静かな夜に音が響く。 か、れ、し か、れ、し か、れ、し 頭の中で音頭をとりながら、鈴を鳴らす。 か、れ、し、が、ほ、し、い こ、と、し、こ、そ 「彼氏がほしいいいいいい!」 からん!と一際強く鳴らした時だった。 「ミシッ」っとなんだか嫌な音。 「…へ?」 「きゃーーー!!」 その途端何かが視界の真ん中で落下してきたのが見えた。 突然のことで全てがスローモーション。 その間バリバリという轟音が耳に鳴り響く。 友達2人が悲鳴をあげながら、私を置いて神社から逃げていく。 驚いて動けない私。
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