1月1日

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「ぶるぉっ!」 刺々しい木片と小さな悲鳴とともに、それは社の真ん中に落ちた。 あたりにパラパラと舞う木くず。 「…ゲホッゲホッ…」 何が、起こったの……? 何が、どこから、どうなって…… よく見ると社の天井が破壊され、1メートルほどの穴があいていた。 天井が抜けたってこと…? どうやらそれは屋根裏から落ちてきたらしい。 なにが起こってるの……!? 心臓の音がばくばくいうのが聞こえる中、なんとか理解しようと頭をフル回転させる。 ……ダメだ! やっぱり何が起きたのかさっぱりわかんない! だって、だって、落下物はどう見たって…… 人、だったから。 人が、神社の屋根裏から落ちてきた。 …なにこの状況!? 「あ、あの、だ、だいじょうぶですか…」 おそるおそる声をかける。 なんで神社の屋根裏から人が落ちてきたの? 誰この人? なんで屋根裏に穴があくの? もしかして私が鐘を強く引っ張ったから? 私が壊したの!? この人って何者、不審者? これって弁償しなきゃいけないものなの? 神社て直すのいくらぐらいかかるの? まとまらない脳みそで次から次へと疑問を浮かべながら、社のギリギリまで近づくと。
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