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だとしたら……
こいつは何者なのか。
そこで次に浮かぶ候補は、コソ泥だった。
ここの神社に秘宝みたいなものがあるとして、それを盗みに来た泥棒なんじゃないのか。
それならまあなんとなく頷けるけど。
「なに黙ってんだよ。おい、名前を教えろ!」
でもさっき私に投げてきたみかんは剥きかけで、つまり考えにくいけど、この人は神社の屋根裏でみかんを食べようとしてたことになる。
泥棒はそんなにくつろがないはずだ…
じゃあ、ほんとに彼は何者?
「おい、名前言えって!」
少しイライラしているらしい彼にむかって私はようやく口を開いた。
「やだ!そっちが何者かわかんないから、個人情報は教えられない!」
そう言えば、彼はふーっと息を吐き頭をかいた。
「あーあーそうですか…んーじゃーわかったよ。もう今日のことは忘れてとっととお別れでいーよわかったよ」
それを聞いて私も、それがいい、と思った。
多少の疑問は残ってるし神社の修理が気になるけど。
めんどうなことに巻き込まれるのはごめんだ!
それじゃ、第三者に見られないうちに帰るとし
「とは…ならねーんだよ!」
へ?
帰りかけた足を慌てて止めてUターン。
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