第四章・―護りたい想い―

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 暗い部屋の中で電気も点けず、秀臣はただただ泣きじゃくっていた。  ぐちゃぐちゃになった思考を整理する事も叶わず、これからどうすれば良いのかも分からずに、泣くしかなかった。 「……俺、何で逃げちゃったんだ。絶対、部長理解っちゃったよな。……どうしよう……」  一人口にしてみるが、やはりどうしようもない。  会話内容から察するにあれは和音の父親で、多分また同じ事をして、息子の心を傷つけようとしている。  引き離されるのだろうかと、だが諦めたくない想いだけははっきりとしていて、和音のためになる事を必死になって考える。  源一郎から言われた。“例え何があっても和音の傍から離れず。絶対に護り通してくれ”と――。  約束した。  その約束を守らなければと、秀臣は源一郎から聞いた和音の過去を思い出していた。
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