記録

6/23

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
私は人がこんなにも美しいなんて、と思った。こんなにも愛に満ちていて美しくて―…自分の心の小ささを知った。 私は自分がこんなにも偽善的で小さく哀れだとは知らなかった。叶夜は最初、私のことを認めなかった。私の心の汚さを見抜いたのだろう。私は必死で叶夜に近づいた。叶夜は周りの人を振り回すことで自分の存在を提示していた。巻き込み嘘をつき、自分勝手に行動していた。その頃の私は、彼女を心から信じていたので彼女に振り回され、彼女のついた嘘にまんまとかかった。彼女が嘘などつくはずもないと、信じてやまなかったからだ。嘘は、人を不幸にする。信じていたのに裏切られた。だから、彼女のような人が嘘をついたから、もう、何を信じたらいいのかわからなくなった。彼女の心を信じられなくなった。私はどんどん荒れていった。自分が傷つかないために。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加