ユイ

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私が産まれたのは今から16年前。 都会の片隅で生まれ育った。 小さな頃は幸せで、何不自由なく暮らしていた。 私が有名な私立の小学校に入学して間もなくお父さんの仕事がうまくいかなくなったみたいで、家庭はみるみるうちに崩壊していった。 「お父さんとお母さんは離婚することになった、お前はどっちと暮らしたい?」 そう質問されたのが小学2年生。 私が泣いても喚いても結果は変わらず、選択は絶対だった。 いつも優しくそばで微笑んでくれるお母さん、休みの日にたくさん遊んでくれるお父さん。どちらか選択するなんて出来なかった。 仕方なく、あみだくじで決めることにした。 何度も何度もやり直し、泣きながら鉛筆を走らせた。 そのうち涙でぐちゃぐちゃになり泣き疲れて眠る日々。 気がつくとお母さんの姿が消えていた。 1番愛してくれていると信じていた人に捨てられた。 小学2年生の私には、絶望以外のなにものでもない。 それでも学校は行けていたし、しばらくは穏やかに暮らせていた。 そのうちお父さんの新しい仕事が決まり毎日が忙しくなった。 だんだん余裕がなくなっていき、疲れ果てて行くお父さん。 常にイライラし始め、私は気を使い息を潜めるようになっていた。 それから間もなくお父さんからの虐待がはじまった。 殴る蹴るは当たり前だった、ストレスのはけ口にしていたのだろう。 まるで奴隷のように扱われ、地獄のような日々が続いた。
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