ハルト先生

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今学期初めての数学準備。 数学準備室の入口で一呼吸。 トントン 「失礼します。」 私が言うと、中から爽やかに返事が返ってきた。 「もう授業が始まるから教室に戻りなさい。」 ??? 私はドアノブに手をかけ、カチャッと開けて見た。 先生はコーヒーを飲みながらゆったりと座っている。 「すみません、私1年A組の斉藤唯と申します。数学準備の係りになりました、次の授業なのでよろしくお願いします。」 淡々と挨拶をする私を見て、先生は少し驚いていた。 「いやぁ、すまない。斉藤さんよろしくね。さっきから手紙やら弁当やらたくさん届いてちょっと滅入っていたもんでキミも何か持って来たのかと勘違いしてしまったんだ。」 なんだこいつ。。。 自分モテます発言。 しかも爽やかに。 苦手な人種だな~。。。 「斉藤さん、今僕のこと苦手だな~無理だな~って思ってるでしょ??」 ズバリそうでしょう!! とは言えず。。。 「いえ、なんとも。準備するものは何かありますか?」 さっさと済ませたい。 「ハハハッ嫌われちゃったかな。次の授業はコンパスと定規、黒板で使うから~あとこれとこれよろしくね。それから黒板掃除しておいて。」 笑顔で随分注文するね。 「はい、分かりました。黒板掃除はすでに済んでますので。失礼します。」 私は運ぶ荷物を手にとると、さっさと数学準備室を出た。 教室に入ると女子に睨まれた。 これだからガキはやだ。 自分の思い通りにならないと全身でアピールしてくる。 めんどくさいなぁ、相手にする価値ないからスルー。
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