第一章 出逢い

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「じゃあ、早くしてよね」  私は、退屈そうに言った。無理もない。今日、この店に入ってから、何回、同じ所を一周した事か。当の本人は気づいてないだろうけど。 「ねえ、この服、どうかな?」 「似合うんじゃない」 「うーん、やっぱ違う気がするんだけど」  ったく、同じ台詞を、何回、繰り返せば済むのだろう。  なんて思ってると、向こうから店員さんがこっちに来る。隠れようと努力したけど、やっぱ無理みたい。 「お客様、何かお探しでしょうか?」  店員さんはそう言って話しかけて来たけど、お姉ちゃん、無視して、また、別の服を手に取っている。ああ、まだかかりそう。
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