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女の子は、慌てて何かを探す仕草をし始めた。どうしたんだろう。
「あのう、何か」
「口紅、口紅がないの」
エッ、口紅。
「それって何色なの?」
「赤色の口紅よ。誕生日プレゼントに、おばあちゃんにもらった、大事なものなの。ああ、どうしよう」
弱ったなあ。って彼女は言っていた。そんなに大事なものなのかあ。なんか責任、感じるなあ。
「私も一緒に探してあげようっか」
「エッ、本当?」
「もともと、私の責任でこうなった訳だし。少しくらいなら、手伝ってあげてもいいよ」
彼女は私のその言葉を聞いて、ニコッと笑った。
「じゃあ私、こっち探すね」
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