うちのポチ(仮)

チャプチャプ

その電話では
初デートの場所について
話していた。

私
『私は遊園地か
それか落語聞きに行きたいなー。
落語とか興味ない？』

ポチ
『興味あるよ。
落語聞きに行ったことないから
行ってみたい。』チャプチャプ

私
『？(チャプチャプ？)
ほんまにー。良かった。
ほな、私ざこばさんか
べかこさんの落語聞きたいから
ちょっと調べてみるわ。』

ポチ
『え、誰それ？』チャプチャプ

りん
『知らんの？』

ポチ
『知らん。』チャプチャプ

電話の途中からしばらくの間
微かに聞こえるチャプチャプとゆー
水が揺れるような音が
何の音なのか
必死に耳をこらして窺ったが
全く分からず
かといって聞く勇気も出ず
長い間私の中で
大きな疑問として
くすぶっていたが
初めてポチの家に行った時に
一気に氷解した。