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「夢だったのか・・・・はっはは・・」
俺はベッドから降りてカーテンを開けて体を伸ばした。
変な寝相で寝ていたのか体の節々が少し痛む。
それから換気の為に窓を開くと目覚ましには丁度良い心地良い風が吹いた。
天気は快晴、青空には一片の雲も無い。そういえば昨日寝る前に見た天気予報で今週一週間は天気が良い日が続くって言ってたな。
そんなことを思い出してもう一度体を伸ばす。
目覚めは最悪だったが今日は良いことが起きそうな気がする。
「さてとっ、朝食にでもするか!」
俺はもう一度一瞥してから部屋の扉を押し開けた-------
---------筈だった。
しかし俺の視界に広がったのは廊下ではなく、淀んだ曇り空に伸ばした傷だらけの右腕だった。
「え?」
突き出した腕も虚空を切手パタリと倒れる。
何で、俺は、部屋に、夢じゃ、
「無かったのかよ」
しゃがれた声で胸中の思いが漏れる。
呆れる程の曇天。
身体中に突き刺さるような激痛が走る。
同時にさっきまで起きていたまるで映画のような【現実】が湧水のように思い出される。
「そうだ・・・・俺はトラックの爆発に巻き込まれて・・」
ぐッ!?
痛む身体に鞭を打って何とか体を起こした。
すると周りは見渡す限りのビル街だった。
俺はそのビル街のメインストリートから脇へ入った路地のベンチに寝転がっていた。
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