18人が本棚に入れています
本棚に追加
「この腕輪なのかッ?」
ブレスレットの電子音が鳴り響き続ける、そして暫く鳴り続いた後、何事も無かったかのようにフッと鳴りやんだ。
しかし今度はブレスレットの上側の一部窪んだ部分が発光し、次の瞬間その光は薄く膜のように左右へ広がり、丁度手首の上で縦横1mほどの立体液晶ディスプレイに形を変え浮かび上がった。
そしてそのディスプレイの中央に一文、【ようこそ死に近い場所へ】と赤字で映し出された。
「ようこそ死に近い場所へ?」
その一文の下に【⇒】のマークがあったのでタッチしてみる。
すると画面はグラインドして【states】と出て、画面左側半分に何個かアイコンが浮かび上がり、右側半分に俺の自身の全体像が映っていた。
頭の上に【神崎希】、足の下辺りに【HP:586/1000】
「俺の名前ッ!それにHPって?しかも喰らってるじゃね・ッ・・・・」
口を閉じた。
もし、仮にこのHPが俺と連動しているんなら・・・・
いやいや待てよッ、それじゃまるでゲームじゃねえか。
このHPが無くなったら死ぬって言うのか?
・・・・・・・・・・・そんな訳ないだッ・・・
その時メインストリートから男性の叫び声が響いた。
「・・・・・・・何だ今の叫び声」
俺は立体ディスプレイからメインストリートへ伸びる通路に視線を移した。
しかし通路が少し曲がっているせいかメインストリートまで見えない。
コルトパイソンのグリップを強く握り締めた。
見に行ってみるか・・・・・・
最初のコメントを投稿しよう!