ACT-1: start

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「この腕輪なのかッ?」 ブレスレットの電子音が鳴り響き続ける、そして暫く鳴り続いた後、何事も無かったかのようにフッと鳴りやんだ。 しかし今度はブレスレットの上側の一部窪んだ部分が発光し、次の瞬間その光は薄く膜のように左右へ広がり、丁度手首の上で縦横1mほどの立体液晶ディスプレイに形を変え浮かび上がった。 そしてそのディスプレイの中央に一文、【ようこそ死に近い場所へ】と赤字で映し出された。 「ようこそ死に近い場所へ?」 その一文の下に【⇒】のマークがあったのでタッチしてみる。 すると画面はグラインドして【states】と出て、画面左側半分に何個かアイコンが浮かび上がり、右側半分に俺の自身の全体像が映っていた。 頭の上に【神崎希】、足の下辺りに【HP:586/1000】 「俺の名前ッ!それにHPって?しかも喰らってるじゃね・ッ・・・・」 口を閉じた。 もし、仮にこのHPが俺と連動しているんなら・・・・ いやいや待てよッ、それじゃまるでゲームじゃねえか。 このHPが無くなったら死ぬって言うのか? ・・・・・・・・・・・そんな訳ないだッ・・・ その時メインストリートから男性の叫び声が響いた。 「・・・・・・・何だ今の叫び声」 俺は立体ディスプレイからメインストリートへ伸びる通路に視線を移した。 しかし通路が少し曲がっているせいかメインストリートまで見えない。 コルトパイソンのグリップを強く握り締めた。 見に行ってみるか・・・・・・
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