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俺はゆっくりゆっくりと路地を進む、何故だか分からないが心臓の鼓動が早くなる。
角を曲がり、少し進むとメインストリートが見えてくるた。
「ハァ・・・・ハァ・・ハァ・・・ッ」
荒くなる呼吸、自然とコルト-パイソンを握る力が強くなる。
覚悟を決めてメインストリートに飛び出す。
左右に伸びた歩道、一定間隔で植林されていて近くには公衆電話のボックスが3つ並んでいる。
やはり見たことがない街並み。
それに辺りを見渡しても走っている車はおろか人っこ一人とすらいない。
「一体どうなってんだ?」
俺は歩道を出て車道へ。
そこで先程聞こえた声の正体に出くわした。
「何だよこれッ!?」
4車線ある車道の真ん中に二十代半ばぐらいの男性の上半身だけの死体が無造作にあった。
腹部の辺りからまるで何かに咬み千切られたようになっていて、首から上も下半身と同様に無くなっている。
「うッ・・・!!」
慌てて口を塞ぐが間に合わず、膝から道路に崩れてその場で吐いた。
人がッ!・・・・どんな事をされたらこんなことになるんだよッ!
もう既に吐きすぎて胃液しか出なくなる。
腕で口を拭い、立ち上がる。
誰か・・・・・・誰かいないのか?
そうして周りを見渡すとさっきは気が付かなかったが、道路を挟んだ反対側の歩道に人らしき姿が見えた。
俺は強張った身体を動かしてその人に駆け寄った。
その人は此方に背を向けてユラユラと左右に揺れている。
「あのッ!すいません!」
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