「実は童貞なんです」

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「実は童貞なんです」

「…………はぇ?」 そう言うしかないだろう。 身長180越え。俳優の向井なんちゃらを彷彿させる甘いマスクと魅惑的なバリトンボイス。一流商社に勤めるエリート。 そんな完璧すぎる男が真顔で 「童貞なんです」 言われたら変な声しか出ないだろう。 「あの……聞いてますか?」 はい、聞いてますよ。聞いてるから固まってんですよ。 「あの……その……えっとですね……」 不安気にこちらを見ているカッチョメン(童貞)に何か言おうとするが言葉が出ない。 「お年はおいくつでしたっけ?」 出てきたのは地雷のような質問。 「40です」 「……でしたね」 即答されて再度認識する。 やはり、地雷だった。地雷をおもいっきり踏んでしまった。 前に聞いて知ってはいたが再度年齢確認をして、さぁ、この後どう決着させるよ、私。 「やはり……変ですよね? この年まで経験ないとか……40なのに……童貞とか……あり得ないですよね?」 いや、貴方の場合、年齢とかの問題じゃなくてですね……
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