一話 黒い殺し屋は闇を切る。

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今日もまた残業…昨日も一昨日も、明日も明後日も…。毎日が憂鬱で仕方がない。私の他にあと一人、同じく画面だけを見つめて淡々と作業をこなすヤツがいた。そいつは私を見て言った。 「すまん永沢、俺の代わりにこれやっといてよ。今日予定入っててさ」 こいつは三村。私の同僚でよくこきつかってくる。その割には上司からの信頼も厚く、断ると「彼はしっかり仕事をしているのに君は…」と来たもんだ。 ふざけるな!! こんなことが許されてたまるものか! 私の方が会社に尽くしているというのに何故にこんな糞男が評価される!? しかし私はダメなのだ。 「なんで…お前がやれよ」 なんとも弱気な声が出たものだ。三村はそれまでのニヤニヤ顔から一変し、眉間にシワを寄せ口角は不機嫌さを主張していた。 「お前が俺に逆らうのか?俺が出世するための駒でしかないくせに…大人しく言うこと聞いてりゃいいんだよ!!」 三村はあまりにも酷い、罵詈雑言とも言えるものだった。 憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い!! 今すぐ殺したい…が、こんなやつのために罪をおかすなんて有り得ない。 三村は帰った。 それを見計らい、私はサイトを開いた。 『殺し屋紹介の庭』 「これならいいだろ…ふふはは」 『依頼を受理しました』
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