一話 黒い殺し屋は闇を切る。

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今日は普段通り会社に行って課せられた業務をこなした後、うまく居残り出来ない理由を上司にでっち上げて帰宅……でなく、そのまま待ち合わせ場所である近くのビルに向かう。 まずは今から仕事をこなす。 「なに、母親が体調を? 」 「はい。なので早めに帰らさせて貰ってもよろしいでしょうか? 姉が遅れると言うので」 とりあえず母親の体調不良という理由で上司に早退の有無を確認し、私は会社を出た。待ち合わせはここから徒歩5分程の場所にあるビルだ。しかし今はどの企業も使用せず、空ビルになっていたような…。 しかし殺しの相談にはうってつけなのだろうと、私は自問自答していた。 ビルの前に来た。 しかし人影は見えない。 「どこにいるんだ? てかどこから入れば」 少しキョロキョロしていると入り口のドアになにか挟まっているのを見つけた。あれは……メモ? 小さなメモ書きにこう書かれていた。 『カラスの牙は電気の回路の先にある』 暗号…とまでは行かないが、依頼人に対する目印のような物だろう。 さて、謎解きだ。
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