堕天使の翼～一人の少女が堕ちるまで～

文化祭が近くなるうちに、二人の距離も近くなった。
次第に二人の会話の大半はプライベートな話が占めるようになっていった。

文化祭の1週間前、亜弥は佐藤に、スクールカウンセラーに通っていることを打ち明けた。

退かれるかな

亜弥は心配したが、
佐藤はそんな亜弥を受け入れた。

亜弥はあたたかさを感じた。
人間の温もりを直に感じた。

優しい佐藤に惚れていたのかも知れない。

いや、惚れていたのだ。
亜弥自身は気づいていなくとも。

心のどこかで
佐藤を求めていたのだ。