堕天使の翼~一人の少女が堕ちるまで~

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放課後、亜弥はいつものように佐藤の部屋に行った。 部屋を2回ノックして中に入る。佐藤はパソコンに向かっていた。 せんせい 佐藤は顔を上げ、亜弥を一瞬ちらりと見、また視線をパソコンに向けて一言。 ノックってのはね、4回するのが礼儀らしいよ。 じゃあせんせいはいつも2回するの? 僕はしないけどね。 ガチャ ノックもしないで入ってきたのは、佐藤のクラスの村田と鹿場であった。村田はクラス委員なので、施錠の報告をしにきたのだった。 村田は亜弥の姿を見るなり、 おっおとりこみ中でしたかっ! すみません!! そう言って足早に去っていった。 すでに大分と亜弥と佐藤の噂はたっていた。 鈍感な佐藤は察してはいなかったが、亜弥は自分が佐藤に迷惑をかけているのではないかと不安であった。 しかし、佐藤の優しさにすっかりと甘えていた。川原にどなられてから、亜弥は彼の行動パターンを解析し、不在のときを見計らって訪れるようになった。
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