幾度の始まりの一片

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「姫乃は、心臓を封印しようとした。けれど、失敗...いや、神が許さなかった。だから継承者が居る」        物寂しげに続ける。 「だが、お前達の知っているのは、”杉村姫乃が強大な魔力を持ち、敵から心臓を守り抜いた。そして、闘いの中で死んでいった。”くらいだろう。最後は違う、自殺でしかない」     「それとあんたと何の関係があるの?」 その言葉だけで物寂しげな顔が一変して、威勢のいい普段通りの顔に戻った。 「私は真理だ。真理と言ってもただの、情報屋だけどな。姫乃の死から30年余り、その姫乃が闘っている時に私は、異空間。この世とあの世の狭間から姫乃のお陰でこの世にこれた」 「真理、この世の出来事全てを記録されているという存在がこんなちっぽけな姿なんて」と喧嘩腰にも聞こえる、リンの言葉を気にもとめない。 「代々継承者は、来るべき時に自らが継承者されているという真実を聞かされる。」
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