幾度の始まりの一片

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「これで結界は破られない限り、機能し続けるな。2人共お疲れ様。 うん?何か腑に落ちないのか?リーンカーネイション」 「やっぱり......私の心臓が、全知全能なんて考えられない!」 琴音を睨み付けるリーンカーネイション。 それもそうだ、いきなり「あなたの心臓は全知全能ですので、誰にも渡さないで下さい」と言われても、にわか信じがたいものがある。 それに、必然的に起こるであろう、闘いもあるのだ。 全知全能の心臓とは、神が選びし者だけが継承者される。希に、リン達みたいに母親から受け継がれる事があるくらいだ。 「お前は、どうしたら納得する?大好きなお姉様から言われた方が、納得出来たか?」 「どうなの?リンちゃん」 (そんな事急に聞かれても..... お姉様に言われたからって信じ難いのは同じだし ..........どうすれば...?) リーンカーネイションは、大きく息を吸って吐くと同時に「信じられない物は信じられないのっ!!!」言葉も吐き出した。    大きく溜め息をついた琴音は、首筋を触ってみせた。シフォンがリンの血を吸った丁度そこをトントンとした。 「首は痛まないのか?血は?」 「!?」 そそくさ、と首筋を確認するが傷跡も血も出ていなかった。 (どうしてこんなに早く?) 「シフォンがリーンカーネイションに付けた傷の深さは3センチメートル。治りが早いのは、リーンカーネイションの心臓が全知全能だから、継承者に引き継がれる自然治癒能力だ。これでも納得出来ないなら、お前から心臓を取り出すしかないな、大丈夫だ。20分は生きていられる」
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