4人が本棚に入れています
本棚に追加
/69ページ
「ルイは優しいね。私が後継者だって、知った時も受け入れてくれて.....」
ティアナの瞳には、涙が浮かんだ。
ティアナは涙もろいのだ。
ちょっとした事で、いつも涙を浮かべている。
「だって、私、出産したら死んじゃうのにさ…、こうやって結婚までしてくれて、私嬉しくて....」
とうとう、涙が溢れ出した。
「そうだね、ごめんね。うん、もう家に着くよ」
電話を切って、家の前で流れた涙を拭い、鼻をすする。
そして、元気よく「ただいま」と家の中へ入って行く。
「おかえり」
出迎えたのは、ティアナの夫であるルイだ。
ルイの髪色は麦畑のように、瞳は澄んだエメラルドグリーンに染まっている。
「この子達は大丈夫なのかい?」
ティアナの腹部を撫でながら、微笑む。
「大丈夫だって」
苦笑いするティアナ。
最初のコメントを投稿しよう!