幾度の始まりの一片

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暗いコンクリートの四角い部屋に、老婆と数人の大人達。 その中心には、気絶しているが出産後だと連想させられる光景が広がっていた。 オギャー  と赤ん坊の泣き声が響きわたった。 「皆、聞け!」 赤ん坊の声とほぼ同時に、老婆が口を開いた。 「双子じゃ、片方は悪魔の落とし子。片方はちゃんと力を継承しておる。」 大人達が数秒間を空けてからざわつく。 何やら儀式めいたそれは、もう終わるのだろう。 (はて、この子らをどう育てればいいやら。この姉妹は歴代より、世間を騒がせそうだからのう.....)
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