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着いたのは、ごく普通の一軒家。そこに車を止め、車から出ようとしない琴音。
「着いたのに、何で車から出ないの?」
尋ねたのはリンだった。
一秒でも早く、ルイに話しを聞きたいみたいで、落ち着きがない。
「ルイは今、ここには居ない。買い出しに行っている」
運転席で腕組みをして、シートに背中を預けながら言った。
すると、リンはシフォンに顔を向けて「お父様はいつになったら帰ってくるのでしょう?」と問い掛けた。
「私に聞かれても」
苦笑いするシフォン。
「お父様とお母様は、どうやって出会ったのでしょう?」と言った所で窓越しに「聞きたいかい?」と投げかけて来たのは、麦畑の髪色、澄んだエメラルドグリーンの瞳の男性だった。
途端、琴音が車から出て男性の方へ近寄る。
「相変わらずだな、ルイ」
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