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暗闇が広がる所に緑の少女が居た。 そこには、栗色の少女も居た。緑の少女が走りながら言う。 「行くな、姫乃!」 けれど、栗色の少女から返事はない。 「私はまだお前に━━━━━━━」 はっと琴音が起き出した。 「水でも飲むか」 上体を起こし、台所へ向かう(姫乃...)と心の中で呼びながら。 あれからルイにティアナとの事を散々聞かされ、それぞれに部屋が割り当てられたのが午前0時過ぎ。 今は午前3時過ぎ、部屋で寝ていたのは2時間くらいだろう。 水を飲み終えると琴音は庭に出て、空を見上げた。 (これから学校に通わせるか) 「起きたんだね」 声の主はルイだった。 「お前は寝ていないのか?」 振り返らず問う。 「うん。これからどうしようかと迷っていてね」 「迷うなら、学校へ通わせよう。きっと魔法の役に立つ」 「それは、姫乃の事で言っているのかい?」 琴音は目を閉じ、きびすを返して言った。 「私自身も良く分からんが、そういう日常が少しくらいあの2人にあってもいいだろう」 そして、琴音は庭から去って行った。琴音が去った庭でルイは、やはり空を見上げるばかりだ。
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