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けれど、リンは差し出された手に頼らずに立ち上がり、汚れた所をパンパンと払う。
「どうして髪色とか違うんだよ?」
リンはムッとした顔で旬を睨み付けた。
「魔力の封印を解除したからだ」
「何で?」
琴音とリンに訊ねる。
「魔力持ちだと気付かれないように、私が普段魔力を封印している」
「何だ。そうか」
何とか琴音のお陰で言い逃れられた。
「そういうあんたは、何で?」
次はこちらが質問する番と言わんばかりの態度で訊ねる。
「ほら、家が名家って話ししただろ?家が名家なのは、こうして魔物退治してるからなんだよ」
「あ、そう」
と言いながら家路の方へ向かうリンに苛立ったのか、リンの腕を掴み、ぐいっと自分の方へ無理矢理寄せた。
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