乾いた日々

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 食堂の扉を開くと、白いシーツに覆われた長い食卓の先に一人の女性が座っていた。見間違えるわけが無い、その人物は倉橋葵だ。 「二人とも遅かったですわね。同じ部屋にいたようですが、何をしていらしたのです。」 言葉からは洗練された上品さが滲んでいる。しかし、その言葉には優しさのかけらも無い。現に、その言葉を紡ぐ口には笑みなどない。そして、本人は決して敵意を抱いているわけではないのに、鋭い目つきでこちらを見ている。いつ見ても高圧的な態度は変わらない。 「あなた、二人を呼びに行った際に急ぐように伝えたの?」 食事の案内をした使用人はその鋭い眼光に睨み付けられ、体が硬直してしまっている。 「は、はい。葵様がすでに席に御付であるので、急ぐように確かに伝えました。」 「それならば、このように時間が掛からないはずでしょう。本当のことを言いなさい。」 「い、いえ、私は確かに・・・」 始まった。この女は自分の腹が立つと、無関係の人間に八つ当たりをする。
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