乾いた日々

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「おばあさま、その使用人さんが言っていることは本当です。私がお手洗いに行っていたので少し遅れてしまいました。申し訳ありません。兄の部屋にいたのは、本日学校が始まったので、その話をしていました。」 隣で話す美優の手は震えていた。この女の前では決してお兄ちゃんとは呼ばない。それが徹底的に教育された結果だ。 「そうだったの。では、早く席にお付きなさい。せっかくの料理が冷めてしまいますよ。」 自分の間違いを謝罪することなく、女は食器を手に取り食事を開始した。 倉橋葵は祖母にあたる存在だ。今は亡くなってしまった祖父に嫁いでこの倉橋家にやって来た。元々、エネルギー関連の会社社長の令嬢であり、総合商社である倉橋家が当時弱かったエネルギー部門を強化するために政略結婚のような形で嫁いできたと聞く。
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