道を拓け

かすかな光

確かにそんな活動したことないだろうな。俺も美優も小学生の頃のイベントに参加させてもらった覚えがない。二人とも同じ私立小学校に通っていたが、有名私立といえども小学校ならばある程度の家庭の子どもであれば入学が可能である。
祖母・倉橋葵はそのような子どもと俺たち二人が触れ合うのを大いに嫌った。学校主催のイベントに参加させてもらった覚えがないどころか、学校に通ったこともほとんどない。

母・倉橋加耶(かや)は祖母の決断に真っ向から反対した。普通の子どもと同じような生活を送らせたいと訴えてくれたが、その意見はひねりつぶされた。

今、美優が通う中学に俺も在籍していたが、その中学は日本一の学力を誇り、全国から学力が著しく高い子どもや金持ちの子どもが集まってくる学校だ。祖母はそこに集まる人間とであれば関わることを許可し、授業やイベントへの参加も同様に許可した。

ゆえに、美優にとっては初めての学校開催のイベントになるわけである。