乾いた日々

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進は自ら尋ねておきながら、回答を聞く前に興味なさそうに頭をかいて歩き出す。人の話を聞いているか聞いていないか分からない様子は中学の頃から変わらない。だが、実は聞いていて、数日後にその話題について話をしてきたり、重要でない話に突然食いついてきたりする。人のことに深く干渉しない進は一緒にいて楽だ。進とは中学でクラスが同じであったことから出会い、唯一友達と呼べる存在だ。 「昨日何時に寝た?」 「んー・・・2時かな?布団に入ってから、ぼーっとしてたらいつの間にか寝てた。」 「今日のホームルーム何か大切なこと言ってた?」 「言ってなかった。担任の自己紹介、クラスに向けての言葉くらい。提出物は配布プリントに記載されてる。」 「なら、早く帰らせてくれればいいのに。」 「今日何描いてたの?」 「みかん」 「何で?」 「なんとなく。」 他愛もない会話を交わしながら帰宅していると、いつも進と別れる交差点まで来た。進も同じように寒さを感じているのか、制服の袖口を引っ張って、出来るだけ手を隠そうとしている。 「じゃ、また明日。」 帰る方向に体を向けつつ手を振ると、進も手を挙げ自宅に向かって歩き出した。
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