殺人鬼の哀歌

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そんな生徒が不正行為をしたという事実に小野寺はただ呆然としていた。 「先生は永峰を信じていた。 裏切られて俺は辛い。」 「……すみません。」 「もういい。成績上位の肩書きがあったおかげで退学にはならないし、反省文と雑用でどうにかなった。 しかし、優秀者だからって浮かれているんじゃないぞ。」 「……はい。」 和哉は頭を下げて出ていった。 何も分かっていない。 この先生は……本当に何も。 脱力感でいっぱいだった。 こんな事になるなんて……。 一つの過ちが和哉にとっては大きな重りとしてのし掛かった。
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