殺人鬼の哀歌

18/29
749人が本棚に入れています
本棚に追加
/484ページ
小学校にこんなものが広がったら、薫は自分以上に悲惨ないじめに遭う。 高校ならまだいい。 どうせデマだとふざけていると、相手にしない奴もいる。 しかし、小学生には……好奇心旺盛な小学生にはたとえデマだとしても、あっという間に広がって、薫は肩身の狭い思いをする。 「何が目的なんだ。僕が何をしたら二人は満足してくれるんだ。」 これ以上の犠牲はいらない。 傷つくのは自分一人で十分だ。 和哉は拳を握った。 貴志は勝ち誇ったような目付きで和哉を見る。 世界は自分中心で回っているとでも言いたげに。 「簡単だよ。 次のテストでお前にやってほしい事があるんだ。」 優しい声で貴志は和哉の耳に呟いた。
/484ページ

最初のコメントを投稿しよう!