殺人鬼の哀歌

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誰も助けてくれなかった。 小野寺は結局、自分を成績優秀者としてしか扱っていなかったのだ。 ただ自慢の生徒だと言えるモノ。 「何かあったのか。」 そんな言葉すら出てこないなんて、こんな奴……担任じゃなきゃ良かったのに。 ……岸先生だったら……。 テストの一位は榎本貴志だった。 彼は永峰を見つけると嬉しそうに近づく。 「また"これからも"よろしくな。」 たった一言。 全てを察した。 この男はまだ続ける気だ。 自分の欲望のままに弄ぶ気だ。
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