第二章

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「ふわ~ぁ」 俺は大きな欠伸をした。 昨日ネットを見すぎたせいで寝不足だ。 大事な情報を手に入れられたから良いのだが。 いつもの道を通りすぎ、いつもの分かれ道に着いた。 昨日の事件があった為、俺は少し通るか迷ったが、時間が無いため通ることにした。 「相変わらず暑いな……」 昨日より暑かった。 トンネルに入るとやっぱり涼しい。 自転車は凍りついたままだったが、昨日のような肌寒さは無いため安心して通り過ぎた。 並木の道を通り抜け、学校に着いた。 トンネルを通れば十分以上早く着く。 今日は歩きな為少し遅いが。 「おはよ~」 校門を潜ると眠たげな声で風雅が声を掛けてきた。 「おはよう」 俺も挨拶を返す。 今日は何事も無ければ良いが。 俺のクラスは二階の右端の方にある。 ちなみに風雅も同じクラスだ。 階段を上がり他のクラスを通りすぎる。 教室のドアを開け、いつもの席に座る。 窓側の後ろの席だ。 この席は色々と観察が出来るから俺は好きだ。 風雅は廊下側に近い前の席だ。 「足は大丈夫なのか?」 「しっかり治療してもらったから大丈夫」 ふと、思い出した。 あの医者の事を。 「そろそろ授業始まるぜ」 そう言って風雅は自分の席に帰って行った。 俺は最近考え事ばかりだ。 いい加減頭が禿げて来そうだ。 円形脱毛症なんて恥ずかしいしな。 「えー今日は転校生がいます」 先生は何気なく言った。 周りのクラスメートは騒いでいるが俺は特に気にしなかった。
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