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「初めまして♪崎谷紗綾(サキダニサヤ)と言います」
俺は目を見張った。
転校生はあの彼女だった。
「紗綾ちゃんか、宜しくね!」
周りのクラスメートは陽気に会話しているが、俺は戸惑いを隠せなかった。
「私、神夜君の隣が良いです」
ちょっと待て、俺は嫌なんだが。
「おお、そうか」
紗綾は俺の隣に向かって歩いてくる。
「宜しくね♪神夜君」
俺は恐怖を覚えた。
「神夜良かったなぁ!」
風雅はお気楽に煽る。
俺は死に直面してるいうのにな。
「学校案内してくれる?」
「お、おう……」
休み時間になると声を掛けられた。
教室のドアを開け、校内を回る。
「やっと人気の無いところね」
屋上に着くと紗綾はそう言って来た。
俺は対抗手段が無い今、逃げるしかないだろう、殺されるのが前提として。
「最初の命令は貴方を殺せ。だったんだけど……急にスキルの発動を待てって言われてね」
「昨日ネットで調べたよ」
少なくとも俺はまだ生きてられるらしい。
「俺には……スキルなんて力無いぞ?」
「貴方が気づいていないだけでスキルは覚醒しつつある」
「俺にスキルが……」
いきなりそんな事を言われても実感が無い。
「そして私が転校して来たのは貴方を訓練するため」
は?訓練?昨日殺される寸前だった相手に?
「ほらっ♪行くわよ?私の氷柱」
「危なっ!」
ギリギリで避けるが、すぐさま次の氷柱が飛んでくる。
医者に治療して貰った脚は、痛みすら感じない程に回復していた。
「これでも勢い弱めてんだけどなぁ」
「うわっ!」
脚に氷柱がかすった、血が少し出ている。
「それっ♪スキルを発動しないと私には勝てないわよ~」
どうすればスキルを発動出来る?
そうだ、あの時叫んだように感情を爆発させれば発動出来る気がする。
「スキル!!発動!」
疲労感が俺を襲う、全身からエネルギーが逃げていくようだ。
キィィィィン!!
耳鳴りがする程の音と共に俺の手から光剣が出ていた。
「貴方は万能型か……ちょっと羨ましいね」
万能型?あのネットには説明が載っていなかった型か。
「じゃあ万能型の使い方を教えてあげるわ♪」
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