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「じゃあな~」
結局何も手がつかないうちに学校が終わってしまった。
拓海は部活があるというので、特に部活に入ってない俺は1人で家路につく。
「ただいま~」
家に帰ってきたものの、返答がなかった。
「母さ~ん?いないの~?」
何度か呼びかけてみるが応答がない。
「買い物かな?でも、いっつもタイムセールが始まる時間までは行かないのに、どういう風の吹き回しだろ?」
家は母子家庭なので、なにぶん生活が裕福なわけではない。
だから、いつも母さんはタイムセールの時間帯を狙って買い物に行くんだけど……。
しばらくそんなことを考えていたが、自分の部屋に入った途端全ての思考がストップした。
「おぉっ!!」
机の上に置かれていた正方形の箱。
俺は急いでその箱を開け、それの中身を確認した。
「腕時計来た~~~!!!!」
それは、P:Aと書かれた腕時計だった。
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