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この世は採取法師と
いう職業が陰ながら
平安時代に作られていた。
開祖は【陸堂 聖謡】と
いう男。この男、
法師にして言寿金大輪を
土に手懐ける大物である。
異名は「大輪殿下」。
誰も知らないこの男の
素顔は意外にも庶民的で…
―女性恐怖症の気が弱い
男であった。
家事と折り紙、編み物が
何より落ち着いて一見、
乙女にしか見えないが
実は対人恐怖症もある
駄目駄目な男。
だが、一旦「殻」が
破けると冷酷無慈悲な
「大輪殿下」になる。
天の邪鬼な言寿金大輪
たちは彼を避けて、
最近では自分たちの
美しい色を変えてまで
人の心に巣食うように
なった。
大輪殿下・聖謡は
採取法師以外に門を
立ち上げる必要があった。
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