No Voice Have Love

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昇降口に行くとちょうど美弥がいた 「美弥、ちょっと来て」 驚いている美弥の手を引いてあの教室の前まで連れてきた 『誠くん?』 「ここ開けてみて」 まだいまいち状況がわからないようだ 「大丈夫だから」 美弥は小さく頷いてドアを開いた そして目を大きく見開いた まず美弥が見たのは黒板 そこにはメッセージを書いておいた 大好き この気持ちも文字だけだから伝わってない? だんだん美弥の目に涙が滲んできた 「泣かすためにしたんじゃないんだけどな」 小さく震えながら泣く美弥を抱きしめた 「…声に出さなくたって、文字だけでも口を動かすたげでも伝わるから。1年間ありがとう、これからもよろしく」 美弥は笑って口を動かした 『大好き』
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